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Google 上位表示と AI が参照するページの重複が 20% を下回った ― その数字はどこから来たのか

検索上位 10 件と、AI が回答の根拠として参照したページの重複が、約 70% から 20% 未満に落ちたという数字が広まっています。出どころをたどると 5W Public Relations のレポートに行き着きました。何が言えて何が言えないのかを整理します。

「Google の検索上位と、AI が参照するページの重複が 70% から 20% 未満に落ちた」という数字を、2026 年に入ってから各所で見かけるようになりました。GEO の必要性を説明する文脈でよく引かれる数字です。

この記事では、その出どころをたどったうえで、実務としてどこまで信用してよいのか、何をすべきなのかを整理します。

何を測った数字なのか

まず、この数字が指しているものを正確にしておきます。あるクエリを AI に投げたとき、AI が回答の根拠として参照した URL のうち、同じクエリで Google 検索の上位 10 件にも入っていたものの割合です。

この割合が高ければ、AI は Google が上位に置いたページを見ていることになります。低ければ、AI は Google とは別の基準でページを選んでいることになります。

Google 上位 10 件と AI が参照したページの重複率かつては約 70% だった重複率が、2026 年には 20% を下回っている0%25%50%75%100%約 70%20% 未満かつて2026 年SEO が GEO を兼ねた8 割方は別の基準で選ばれる
同一クエリにおける、AI が参照した URL と Google 検索上位 10 件の重複率。出典: 5W Public Relations のレポートに引用された Brandlight の分析。

出どころは 5W のレポート、数字は Brandlight の分析

たどっていくと、この数字は米国の PR 会社 5W Public Relations が 2026 年 5 月 4 日に公開したレポート「GEO vs. SEO: The 2026 Venn Diagram」に行き着きます (プレスリリース)。同社の GEO 実務ガイドシリーズの 10 本目にあたるものです。

そして 70% → 20% 未満という数字そのものは、5W が自ら測ったものではなく、GEO ツールを提供する Brandlight の分析として、レポート内で引用されているものです。

ここで注意が必要なのは、Brandlight 側の測定方法・サンプル数・対象クエリ・対象言語がいずれも公表されていないことです。どの AI サービスを対象にしたのか、B2B と B2C のどちらの領域なのか、英語圏のデータなのかも書かれていません。

したがってこの数字は、査読された研究結果でも、再現可能な公開データでもありません。GEO ツールを提供する事業者が観測した傾向を、PR 会社がレポートに引用したものです。社内の意思決定に持ち込むときは、この前提を添えてください。

それでも方向性は他のデータと整合している

出どころに留保があるとはいえ、「AI が Google の順位とは別の基準でページを選ぶようになっている」という方向性自体は、他の観測とも矛盾しません。

たとえば、AI サービスごとに参照する情報源の傾向が大きく違うことは、実測データからも確認できます。同じ質問を投げても、ChatGPT と Perplexity では参照されるページの構成が異なりますし、その傾向は AI 側の仕様変更で短期間に動きます (この点は ChatGPT の Reddit 参照が 6 日で 94% 減った件で詳しく扱っています)。

Google 自身も、AI Overviews から AI Mode へ利用者を送る動きを強めています (2026 年 8 月の動き)。10 本の青いリンクを経由しない検索が増えるほど、順位という指標が説明できる範囲は狭くなります。

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実務として何が変わるのか

重複が 70% あった時期は、Google 向けの最適化がそのまま AI 向けの最適化を兼ねていました。上位表示できていれば、AI にも参照されている可能性が高かったからです。

重複が 20% を下回るということは、AI の回答に載るページの 8 割方は、検索順位とは別の理由で選ばれているということです。ここから導かれることは 2 つです。

第一に、順位計測だけでは自社の露出を把握できません。 上位表示できていても AI の回答に出てこない、あるいは順位が振るわないページが AI にはよく参照されている、という状態が常態化します。順位と AI での参照状況は、別々に測る必要があります。

第二に、施策の評価軸を分けて持つ必要があります。 SEO の改善が GEO の改善につながったかどうかは、もはや自動的には言えません。両方を測っていなければ、どちらの施策が効いたのかも分かりません。

AIO Lens は、複数の AI に対して同じ質問を毎日投げ、自社が言及されたか、どのページが参照されたかを記録し続けるサービスです。順位とは独立した軸で、AI の中での自社の扱われ方を継続的に把握できます。